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[エッセイ] [宇宙人ユミットからの手紙]
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フィクション(小説,作りごと,虚構)とノンフィクション(事実に基づく)の違いとは何でしょうか?
"宇宙人ユミットからの手紙"という本があります。
1993年初版ですから初めて読んだ日から9年も経ちました。
内容は「宇宙人が地球に旅行に来て地球人になんとかコンタクトをとろうとして手紙を送る」というものです。
手紙かよ!w
宇宙ものとしては手紙という古風なメディアを使ってるのがいまいちかな?と思わせ期待もしなかったのですが、筆者が当時フランス国立科学研究庁の主任研究員ということなので、ちょっと本屋で立ち読みしてみたのです。


書き出しは、宇宙人が初めて地球に降り立つ場面、そして地球人の生活習慣に驚き、笑えたりもします。直接地球人にコンタクトをとるとまずいので、選ばれた何人かに手紙が送られてくるのです。

ここまでならこの研究員そうとう下手なSF作家だなあ、で終わりなのですが、その手紙の内容を見ると、作り話だとしても科学的価値のあるもので極めて興味深いものだと言えます。そしてこの筆者である研究員がMDH(磁気流体力学)推進装置を発明した内容こそがその手紙に書かれていたことだったのです。

ユミットからの手紙は現在も続いており、その内容は、科学、哲学、教育、政治等、現在地球との比較で読むと理科系の人にも文化系の人にもひとつは注目に値する事柄が含まれていると思います。

筆者はもちろんノンフィクションとして書いています。
読む人、見る人が理解できない時それがフィクションになってしまうこともあるという良い例です。その逆もそうだと思います。そのような本こそが良い作品なのだと思います。

「宇宙人ユミットからの手紙T、U、V」ジャン・ピエール・プチ著 (徳間書店刊)
参考文献1

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