壱萬クラブ-待合室
[エッセイ] [お花茶屋] 03/07/06
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中国人の同僚、ジョさんとお客様へ設定に行きました。
場所は京成立石って駅です。 都心からそれほど遠くないのですが、下車することはまずないところです。 ボクも降りたこと一度もありません。


しか〜し、駅前探検倶楽部で調べて行けば怖いものなしです。
ふむふむ、JR秋葉原>JR浅草橋>京成押上>京成立石 21分。
なぬ〜、楽勝ではないですか。 ついでにMapionで京成立石からお客様への道のりを印刷してマーカで青線引いて、もう完璧っす。

客先到着予定時間は2時なので、秋葉原でおいしいものでも食べてから出かけようと12時半に事務所を出ました。う〜ん、この時間お店混んでるのですよ。。
「ほわぃどんちゅ〜ていく あ らんち あっと ですてぃね〜しょん?」
というわけで京成立石に憑いてからゆっくり食事しようよ!と言いました。

ぷぉ〜〜ん!ガタンゴトン・・・
ジョさんとは気が合うので中国の話に華が咲いて気が付くと、もう押上駅です。
「ネクスト、ネクストステーション」
仕事熱心なジョさんが中国では11頃には就寝していると聞き、驚きました。もひとつ驚いたことに、押上を発った電車は京成立石を飛ばして青砥駅まで行ってしまいました。

「うっぷす!うぃ ますと ご〜ばっく じゃすと わん うひゃひゃ」
青砥駅で降りてエスカレータで降りてホームを換えて戻ることに。。はぁ。
ホームの床にへばりついたガムをへらでごしごしやってるおばさんを見るにつけ、大変なお仕事だなあ、お疲れ様です、と軽い虚脱感。額にうっすらと汗する程度の露の晴れ間の午後でした。

乗り換えて降りた次の駅名は、「お花茶屋」

女子中学生とおばあちゃんがちらほら散見できる程度の小さな駅です。
ありゃ〜ん?戻ったつもりが「お花茶屋」。戻ってないよ。

「わっつ はぷん?」ジョさんが尋ねました。
「あい どんの〜」外人っぽく肩をすくめるボクの仕草が「お花茶屋」にはいかにも不釣合いです。
「れっつ ご〜ばっく あげいん!」

ぷぉ〜〜ん!ガタンゴトン・・・
”次は青砥でございます。何とか線乗り換えの方は、1番線、急行なんたらは2番線車内アナウンスが延々と続き、結局何番線なのかよく聞き取れません。”
青砥〜!青砥〜!青砥に戻りました。ふぅ。
エスカレータで降りてホームを換えて戻ることに。

お!電車が来てるじゃないか!
これが正しい電車なら乗らないと、急行を待って通過を待って待ちくたびれて疲れそうだ。とりあえず駆け足で乗ってみました。ボクは間違いを2度繰り返すのはすごく嫌です。あなたもそうでしょう。
電車の中からホームの看板を指差し確認です。
ここは青砥、右は立石、よし!左は逆方向。よし!でもって普通電車、よし!完璧です。間違いございません。

ドアが閉まります。
露の晴れ間のお昼時、ちょっと蒸し蒸し。ホームの床にへばりついたガムをへらでごしごしやってるおばさんを見るにつけ、大変なお仕事だなあ、お疲れ様です、と軽い虚脱感。

さっき見たおばさんにそっくりです。
ぷぉ〜〜ん!ガタンゴトン・・・

”お花茶屋〜、お花茶屋〜”
ボクたちはどうも異次元空間に迷い込んだようです。

一生、お花茶屋以外行けないと判断し、青砥に戻ってそこからタクシーでお客様に伺いました。
設定が終わって夜6時。
ボクは言いました。
「「ほわぃどんちゅ〜ていく あ らんち!」
ジョさんは黙って頷きました。

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